人気俳優の裏の顔は…?(@dannymasterson / Instagram)
シーズン8まで続いたドラマシリーズ「ザット ‘70s ショー(1998 – 2010)」で知られる俳優ダニー・マスターソンが、20年前のレイプ事件によって懲役30年から終身刑という判決を言い渡された。
1998年に始まり、2010年のシーズン8まで続いたコメディドラマシリーズ「ザット ‘70s ショー」には、人気俳優アシュトン・カッチャーや人気女優ミラ・クニスなども出演していた。現在はネットフリックスで続編「That ’90s Show」が配信中だ。「ザット ‘70s ショー」でスティーヴン・ハイドという主要キャラクターを演じていた俳優ダニー・マスターソンが9月7日、2003年に犯した2件のレイプ事件によって、懲役30年から終身刑という判決を受けた。想定しうる最高の刑罰といえよう。
ジャーナリストのメーガン・クニフによると、カリフォルニア州高等裁判所のシャーレーン・F・オルメド判事は法廷で「マスターソン氏、あなたは被害者ではありません」「20年前に行われたあなたの行為は、他人から選択する権利と声を奪いました。20年前のあなたの行為は犯罪。だからこそあなたはここにいるのです」と毅然とした態度で彼に罪を言い渡したという。
公聴会では、マスターソンを告発した全員に意見表明の機会が与えられた。
クニフによると、被害者の一人はマスターソンに向けて「あなたは女性を傷つけることに喜びを覚え、それが中毒になっている。間違いなくそれがあなたの趣味になっている」とマスターソンの危険な悪癖を指摘。彼と敵対している女優リア・レミニも判決に出席していたという。
マスターソンを性的虐待で告発した3人の女性とは、23歳だった2001年の冬に彼にレイプされたと主張する女性、28歳だった2003年4月にレイプされたと主張する女性、そして23歳だった2003年の秋から冬にかけてレイプされたと主張する女性である。そのうち1人はマスターソンの元恋人で、告発者全員がサイエントロジー教会のメンバーだったと伝えられている。
ABC Newsによると、彼女たちは当初、名乗り出るのをためらっていたという。なぜなら、サイエントロジー教会が、警察に犯罪を報告しようとする会員を抑圧していたからだというのだ。その後、彼女たちは全員教会を去っている。
二審の証言では、『Men at Work』出身のサイエントロジー信者が、性的暴行を加える前に被害者に薬を飲ませたと告発されている。元恋人の女性は、彼のレイプをやめさせるために髪を引っ張ってまで抵抗しなければならなかったと主張した。
マスターソンは2021年1月に無罪を主張。彼の弁護士であるトム・メセローはHollywood Reporter誌に「最終的にすべての証拠が明らかになり、証人に証言の機会が与えられれば、彼の無罪が証明されると確信しています」と語り、あくまでマスターソンへの告発は不当だとのスタンスだ。続けて彼は「マスターソン氏と彼の妻は、20年近く前の疑惑が突然告訴されたことで大きなショックを受けていますが、最終的には真実が明らかになると信じることで平穏を保っている状態です。マスターソン氏の人柄を知る人々は、疑惑が虚偽であることを分かっていますよ」とマスターソンを擁護していた。
マスターソン(47歳)は、2022年11月に一審が評決不一致に終わった後、陪審員の7時間の審議を経た今年初めの再審で有罪となった。しかし有罪とされたのは3つの訴因のうち2つ。「3番目の女性(Jane Doe※偽名 No. 3)」に関する3つ目の訴因には無効審理が宣言され、棄却された。
有罪判決後、ロサンゼルス郡地方検事であるジョージ・ガスコンは声明文を発表。「彼女たちの勇気と強さは、私たち全員にインスピレーションを与えてくれました」と名乗り出た女性たちの勇気を賞賛した。
続けてガスコンは「陪審員がすべての訴因で有罪判決を下さなかったことには失望したが、我々は彼らの決定を尊重します。この事件で陪審員たちが下さなければならなかった評決は間違いなく難しいものでした。陪審員たちの奉仕に感謝します」と今回のケースの困難を説明、陪審員に感謝を述べた上で、「(私のチームは今後も)両者の合意の重要性、健全な人間関係、傍観者的介入の重要性について一般大衆を啓蒙し続けます」「私たちが協力することで、すべての人にとってより安全で公正な社会を作ることができると信じています」と今後への期待を口にした。