さらに、朝倉を長年見守ってきた元格闘家の前田日明氏は、20日にネット上で公開した文章で「いろんな意味でここが踏ん張りどころ、人生の土壇場、正念場だよ。ここで朝倉未来はどうするんだ?っていうのをみんな見てるよ。ここからどういうふうに立ち上がるつもりなんだってことをね」などと思いを明かしている。
その一方で「引退やむなし」という意見もある。今回は慣れないキックルールだったとはいえ、かつての朝倉は「試合でダウンしたことがない」と豪語するほど打たれ強さに定評があっただけに、YA-MANのパンチで前のめりに倒れる姿は衝撃的だった。朝倉は7月にもRIZINフェザー級王座決定戦でヴガール・ケラモフに一本負けしており、この連敗は進退を考えるのに十分な出来事だ。
朝倉といえば、昨年9月にプロボクシング元世界5階級王者フロイド・メイウェザーと対戦してTKO負けを喫し、その後からたびたび頭痛を訴えるようになっていた。医学的な根拠は不明だが、格闘技界では「打たれ強かった選手が頭部への打撃で一度KO負けすると、急にダウンしやすい体質になる」という説がささやかれており、脳がダメージ蓄積への防御反応として意識を途切れさせやすくするのではという見方がある。これは柔道などにおける「一度締め技で(意識が)落ちると、以降は落ちやすくなる」という俗説と重なる部分があり、ネット上では「メイウェザー戦の後遺症が今でも続いているのでは」「脳にダメージが蓄積している状態なら、現役続行はやめたほうがいい」などと朝倉の身体を気遣う声も噴出している。
王座に手が届きそうで届かない「無冠の帝王」のまま、朝倉はリングを去ることになるのか。それとも復活して再びドラマを見せてくれるのか。今後の動向に格闘技ファンの注目が集まる。