母の作ってくれた味噌汁に彼氏がダメ出し
「事の始まりは、一人暮らしの私の部屋に母親が遊びに来て、私の好物のなめこと絹ごし豆腐のお味噌汁を作っていってくれた事でした」
その晩、舞美さんの部屋に遊びにきた彼と夕食の時にそのお味噌汁を一緒に飲みました。
「するとSが変な顔をして『ねぇ、舞美のお母さんてちゃんと出汁(ダシ)取ってるの?もしかして味噌溶かしただけ?』って言ってきたので、え?と思い私もあわてて飲んでみたら…昔から大好きないつもの味だったんですよ」
舞美さんの母親は和食が得意で、出汁を取るのがとても上手でした。
「母親はいつも、昆布と鰹節で出汁を取ってお味噌汁を作ってくれて、私はこれを飲んで育った大切な味なのに…Sのバカにした口調に頭にきて『じゃあもう飲まないで!』とお椀を奪ったら喧嘩になってしまって」
彼の母の味噌汁は「顆粒だし」テイスト
今までも些細(ささい)な揉め事はありましたが、これが初めての大きな喧嘩だったそう。
「でも、その週にSの実家で昼食をご馳走になる約束が入っていたので、早めに仲直りしないとまずいと思い、まだムカついていましたが私の方が折れて謝ったんですよ」
結婚の挨拶をしに行ってから初めての食事会だったので、緊張気味に彼の実家に向かう舞美さん。
「Sのお父さんもお母さんも優しい人で、私の事を歓迎してくれました。お母さん自慢のカレイの煮付けをご馳走になり、とても美味しかったのですが…私は一緒に出てきたお味噌汁の味が気になって気になって」
その大根と油揚げのお味噌汁は、とても馴染みのある味だったそうで…。
「市販の顆粒出汁の味がガッツリしたんですよ。私もよく使うのですぐに分かりました」