◆幅広いポジション・役柄で作品に華を添えてきた
それもこれも、竜星が破天荒なニーニーを徹底的に演じ切ったがゆえのこと。彼の俳優としての力量に対する評価は揺るがなかったものの、やはりそのイメージは強烈でした。その影響か、2023年1月期に主演したドラマ『スタンドUPスタート』(フジテレビ系)は、民放ゴールデンプライム帯の連続ドラマ初主演にも関わらず、評判はイマイチ。堅気っぽくない風体の投資家という役どころも、ニーニーを彷彿とさせたのかも知れません。
しかし、もともと演技力の高い竜星は着々とそのイメージを回復していきます。2023年の大ヒットドラマ『VIVANT』(TBS系)には、阿部寛演じる野崎守の部下、警視庁公安部・外事第4課の新庄浩太郎役で出演しています。尾行を巻かれるなど、ポンコツに見せかけて、最終回では驚きの立ち回りで、大いに作品を盛り上げました。
◆2024年、華麗に印象を復活させた“NHKの大作”
また今年の春クール『ACMA:GAME アクマゲーム』における天才ギャンブラー・上杉潜夜(せんや)役では、ガラリと印象の違う役どころに挑戦。「竜星のこういうお調子者が観たかった!」欲を、ようやく満たす演技が堪能できました。
そして、ニーニーの面影を完全に吹き飛ばしたと言っても過言ではないのが大河ドラマ『光る君へ』ではないでしょうか。道長(柄本佑)の甥で、伊周(三浦翔平)の弟・隆家を演じています。政(まつりごと)への野心もあり、兄より立ち回りが上手く、やや荒くれ者ではありますが愛すべき弟キャラ。竜星の可愛さが炸裂しています! 伊周との対比表現も秀逸で、作品には欠かせない存在になっています。