民族音楽系ゴスペルグループの「AKchoir(エーケークワイア)」が、今年も恒例のクリスマスコンサートを12月20日(水)に開催する。

96歳現役ピアニストがステージで演奏

『AKchoirクリスマスコンサート「祈りと平和」』と題した今年は、代表でディレクターの鬼無亮仁(きなしあきひと)氏率いる、総勢60名のゴスペルシンガーが出演する他、香川県より、96歳現役ピアニストの鬼無玲子氏がステージで演奏を披露する。

太平洋戦争開戦前から、終戦後もピアニストとして生きてきた鬼無玲子氏が、ミューザ川崎シンフォニーホールにて、平和への溢れんばかりの祈りをピアノの音色に乗せて届ける。

鬼無玲子氏について


香川県高松市で生まれ、4歳からピアノを習い始めた鬼無玲子氏は、女学校時代には教会オルガニストを務めるまでに成長した。しかし太平洋戦争が勃発し状況が急変、当時多くの女性がそうだったように軍需工場の労働者として働き、夜に勉強する日々が続いた。


終戦後に師範学校を卒業し教師となった玲子氏は、定年まで教師の仕事を全うしながら、オルガンとピアノを通して音楽活動を続けてきた。戦争を経験した彼女にとっての音楽活動は、まさに平和への祈りを伝える行為そのものだったと言う。やがて玲子氏の思いに影響され、息子も孫たちも音楽の道へと進み、鬼無家は音楽一家となった。

祈りと平和がテーマ

ピアニストである祖母玲子氏の姿を見て育った鬼無亮仁氏は、音楽家としてオペラの舞台にも立っていたが、20年前からゴスペルグループを立ち上げ、現在は「AKchoir」として活躍の場を広げている。

クリスマスコンサートでは、コーラスオリンピック銀賞受賞メンバーを含む総勢60名のゴスペルシンガーがステージに立ち、コンサートを盛り上げる。今回のコンサートのテーマが「祈りと平和」だったことから、祖母である鬼無玲子氏に演奏を依頼したところ、平和への祈りを捧げるためならばと快諾し、香川から上京しコンサートに出演することが決まった。

鬼無家四世代が共演

『AKchoirクリスマスコンサート「祈りと平和」』では、1部と2部の間の演目を玲子氏が担当。そこでは玲子氏が思い入れのある曲、シューベルトの「トロイメライ」を演奏予定だ。

また玲子氏の伴奏で、息子である歌手・鬼無律友氏が歌い、妻・鬼無敬子氏がオカリナを奏でる曲目も用意している。さらに、孫の亮仁氏とその娘も登場し、当日は音楽一家である「鬼無家の四世代」共演を楽しむことができる。