ソーシャルメディア全盛の時代に大胆な嘘を発表!?ソーシャルメディア全盛の時代に大胆な嘘を発表!?

コロンビア人アニメーターが『君たちはどう生きるか』に関してついた“嘘”が大炎上して話題になっている。

スタジオジブリ映画『君たちはどう生きるか』に関して、人々の賞賛が一瞬にして嘲笑に変わってしまう出来事があった。といっても作品についてではない。今作に大きく関わったと主張していたコロンビア人アニメーターのジェラルディン・フェルナンデスが、Blu Radioのインタビューで“大幅な誇張”を認めたのだ。

当初彼女はコロンビアの新聞El Heraldo紙に「25,000以上のフレームを描かなければならなかったわ。シーンごとに一枚一枚、すべて手作業だけど、一部はデジタルも使ったわ」と途方もない作業を行ったと語った。加えて動画配信者パブロ・ゴンザレスには「映画冒頭、最初のシーン15分くらいの全体を私が手がけたの。コロンビア人女性が文字通り映画の最初を飾るのよ」と大胆なエピソードを誇っていた。

新聞記事以前から彼女は長い期間誇張したエピソードを語り続けており、昨年10月にバランキージャの大学で行った講演でも今作に参加した話が中心のトピックだったという。

そんな彼女の話は『君たちはどう生きるか』がゴールデン・グローブ長編アニメーション映画賞を受賞したことで急速に広まることに。それまで賞賛の対象だった彼女だが、そのような大きな話が真実なのか、事実確認を行う人々がインターネット上に現れたのだ。すると、彼女の名前がエンドクレジットにないということがニュースになり始める。彼女の主張する功績が真実なら、エンドクレジットにその名前がないのはあまりに奇妙だ。彼女の言葉を疑う人々によるスペイン語のネットミームが急速に増え始めた。

「ジェラルディン・フェルナンデスのおかげでコロンビアでトレンド入りしていることを知った宮崎駿(のリアクションはこんな感じだろう)」とライアン・ゴズリングの困惑顔が投稿されたり…

「ジェラルディン・フェルナンデスがスタジオジブリのために撮影した25,000枚のスチールはこちらです」などと低クオリティのパラパラ漫画が投稿されたりとコロンビアのソーシャルメディアはネットミームであふれた。誰かが本当に作ったのか加工画像なのか、フェルナンデスのフィギュアの画像まで出回っていた。

最終的に、フェルナンデスは嘘を認めて謝罪した。「私は『君たちはどう生きるか』のちょっとしたシーンに関わっただけです。話を誇張していました」「25,000フレームを私ひとりで手がけたというのは事実ではありません。それはチームの努力でした。私が手がけたのは200フレームです」と話を100分の1以下に訂正したフェルナンデス。

しかし、現状その「200フレーム」についても定かではないようだ。Cartoon Brew誌が米配給会社GKIDSに事実確認の連絡をするも、「フェルナンデスの名前は『君たちはどう生きるか』のクレジットのどこにもない」と言われたという。

この一件はこれにて収束となるのか、まだ騒動は続くのか。何にせよ、ソーシャルメディア全盛の時代に稀に見る大胆な“盛りエピソード”であった。