◆自分が正しいと思わずに、いつでも学び直しや相談を
中川:ハラスメントの多くは、悪意から行われていません。むしろ良かれと思って、それが普通・常識だと思って行われています。そして、その時々の普通を次の世代に引きつごうとするとき、後から見て加害的な振る舞いが許容されていることはよくあります。このような構造になっているように思います。
このように、その時その時で正しいと思って行うことが、後から見て問題があったとされることは、今後も起こり得ると思います。そのため、自分が正しいと信じて行動することの危険性を認識し、学び直しや相談を重要視する必要があると考えます。自分の時代はこうだったけれども、これからは違うのかもしれない……という不安や疑問を抱えながら、子どもと接することが重要です。
しかし、そのためには社会的な支援や相談ができる環境の整備も同じように必要です。個人にだけ責任を押し付けるのは無理があります。子育て支援に典型的なように、そういった不安を共有したり、相談したりできる場所を作っていく必要がありますし、政策的に支援される必要があるでしょう。