◆もちづきさんの“至る”は、どんなグルメレポよりも破壊力がある
キャッチコピーによると「うら若き事務のねーちゃんが、食欲がままにガッツリこってり山盛りイクだけの、意識底辺系(だらしねー)マンガ」とのことですが、もちづきさんが食べる料理を並べると、
・鶏もも肉の照り焼き弁当(1775kcal)
・2倍サイズカップ焼きそば+マヨネーズを2個(2760kcal)
・4合分オムライス(3478lcal)
……この異常なボリューム感を若くかわいらしい女性がひたすら食べ続けるというシーンは、やり過ぎを振り切ったレベルであり、見事にファンタジーとして昇華しています。
そして何よりも脱帽したのは、望月さんの料理に対する集中力と表現力にあります。
自身の食欲を解放し、精神統一までしてドカ食いをする。彼女の食事シーンがお手本、教科書的だとは思いませんが、そこにはいつも“望月さんらしさ”がある。もちろん汚さや不快感はありません。好きな食べ物を、自分のために自分らしく楽しんでいるのです。
高血圧まっしぐらの塩分濃度、血液が塩水になりそう、などとギャグ漫画的な要素はありつつも、料理を食べて涙を流すシーンは、どんなグルメレポートよりも強いインパクトがあるのではないでしょうか。ごはんをおいしく食べて、自分らしく喜びを表現することをもっともっと楽しんで追求していこうと、改めて気づかせてもらいました。