◆残ったのは甘い匂いだけ
「虫が嫌う香りがあるのは知ってるけど……。そもそも、そこそこ速い動きのゴキブリに直接かけるのはむずかしく、結局床がベトベトのエキスまみれになり、リビングに甘ったるい匂いが充満しただけでした。ゴキブリは最終的に、私の夫が捕まえて外に出しました」
そんなときも子どもらは、スマホの画面から目を離さずスルーを貫いていた。それほどまでに、心を閉ざしているということなのか。
母や姪を通じてつき合わざるをえない真子さんは、イヤでも頻繁に、妹の奇妙なマルチ生活が目に入ってしまう。そして、断っても断っても勧誘が止まらない。実例をいくつか紹介しよう。