<亀山早苗の恋愛時評>
次々と報道される有名人の結婚離婚。その背景にある心理や世相とは? 夫婦関係を長年取材し『夫の不倫がどうしても許せない女たち』(朝日新聞出版)など著書多数の亀山早苗さんが読み解きます。(以下、亀山さんの寄稿)
◆田中美佐子ら60代、それでも離婚を決意する女性の心理
このところ芸能人女性の60代の離婚が続いている。話題になったのは田中美佐子。この6月、63歳にして28年にわたる結婚生活を解消した。
相手はタレントの深沢邦之。田中が35歳のときに6歳年下で自分の付き人でもあった深沢に「結婚しない?」とプロポーズした。のちに彼女は「結婚願望がすごく高まっている時期だった」と話している。
当時の収入格差は100倍とも言われたが、田中は「夫が売れなくてもいい」と発言。一緒に生活して楽な人で、私の仕事を理解してくれる人がいいとも話していた。2002年に長女が産まれると、家事や育児は夫の仕事になっていった。
田中は、変わらず仕事が順調、一方で深沢は娘が長ずるにつれ、家の中でも居場所を失っていったのではないだろうか。
2019年、田中が独立、夫婦で個人事務所を設立した。かつて付き人だった夫にも協力を期待していたのだろうが、一部報道によると深沢はあまり協力的ではなかったらしい。彼にしてみれば、この期に及んで妻の付き人はやりたくなかったのかもしれない。
21年暮れに、深沢は個人事務所の役員を退任、代わりに長女が役員となり、そのタイミングで彼は家を出たという。
そして22年12月、娘が20歳を迎えたこともあって、先日、離婚を発表した。