◆友だちに「教え諭す」スタイル
食生活だけでなく、生活全般も変化していく。電車に1時間乗って、ヴィーガンコスメひとつを買いに行く。送料1000円をかけて自然派石けんを取り寄せる。不便であるほど「みんなはまだ目覚めてないから、目覚めている自分がひとりで戦うしかない」「私が社会を変えていく」という感覚が高まっていった。
「友だちには、どこそこの商品を使うべき! みたいに物の購入を勧めたりはしないけど、わかっていないから諭す、というスタンスで接していました。牛を育てるにはこれだけのコストがかかるうえメタンガスも出るから環境破壊につながる。知能が高い生き物を食べてはいけない。本来個体数がそこまで多くないはずの大きな動物を人間の都合で増やすのは生態系の破壊だ。そんなことを話した記憶があります。いまもそれは、本当にそうかもしれないと思っていますが。でもそんなことを言ってれば、普通の人付き合いはむずかしくなりますよね」
話を聞いていると、いるみるくさんは非常にまじめな人なのだとわかる。セレブのオシャレさに憧れてヴィーガンになったという入り口はミーハーであるものの、ヴィーガンを通じて食肉のありかたを真剣に考えるようになったというのだから。