ジェイソン・シュワルツマン(左)、トム・ハンクス(右) ©2022 Pop. 87 Productions LLC
9月1日より公開され、初週の週末3日間でウェス・アンダーソン監督史上最高の館アベレージを記録した大ヒット最新作『アステロイド・シティ』に込められたメッセージのひとつをキャストが明かすインタビュー映像が解禁となった。
『アステロイド・シティ』は独特な世界観で観客を魅了しつづける天才監督、ウェス・アンダーソン最新作。Filmarksの2023年9月公開映画期待度ランキングで1位を獲得、待望の日本公開初週の週末成績で1劇場当たり526,666円の興行収入を記録し、ウェス・アンダーソン監督作品史上最高記録を打ち立てた。
原案はウェス監督と盟友ロマン・コッポラの共作。脚本はウェス監督が単独で務め、キャストには、ウェス監督作品ではおなじみの、ジェイソン・シュワルツマン、エドワード・ノートン、ティルダ・スウィントン、エイドリアン・ブロディ、ウィレム・デフォーらに加え、スカーレット・ヨハンソン、トム・ハンクス、マーゴット・ロビー、マヤ・ホーク、スティーヴ・カレルなど豪華俳優陣が出演している。
明日23日(土)に“アステロイド・デイ”記念として、1日限りの入場者プレゼント「なりきり!宇宙人お面」の配布も決定し、ますます盛り上がりを見せる本作は、舞台“アステロイド・シティ”の制作過程を取り上げるTV番組の放送、という設定で進んでいく。
その特殊な構造によって描かれる「役を演じる役者」の存在によって舞台裏で行われる役者と演出家のやりとりに、本作に込められたメッセージが秘められているのだ。
スペシャルインタビューで「わからない」を肯定したスタッフ・キャストたち
今回、そのメッセージをキャスト陣が明かすスペシャルインタビュー映像が公開。
ルパート・フレンドは、舞台“アステロイド・シティ”で主人公のオーギー・スティーンベックを演じる俳優、ジョーンズ・ホ ール(ジェイソン・シュワルツマン)が、演出家のシューベルト・グリーン(エイドリアン・ブロディ)に「役の動機が理解できない」と吐露するシーンをあげ、「演出家が『考えすぎるな。とにかく前へ進め。ストーリーを語るのだ』と言う。まさに生きることを語っている」と語る。
マヤ・ホークは、作家であるコンラッド・アープが同じくジョーンズに言う「君は完璧だ。それでいい」というセリフを取り上げ、「役者がわからないことだらけで納得がいっていなくても、それも含めて適役ということ。とても美しい場面だと思う」と話す。
ブライアン・クランストン、エイドリアン・ブロディは、「人生もわからないことばかり」と語り、悪いことではないと力強い メッセージを送る。
「わからないことがあっても人生は進んでいく」というメッセージを異口同音で語る彼ら。SNSに寄せられる本作の感想にも時折「このわからなさもこの監督だからこそ不思議と説得力がある」「訳わからんけどなんか良かった」といったものがあるが、その「わからなさ」こそ『アステロイド・シティ』の醍醐味のひとつと言えるのかもしれない。
オーギー・スティーンベック/ジョーンズ・ホールを演じたジェイソン・シュワルツマンは、あるインタビューで、哀しみに対処しようとするオーギーを演じてどうだったか問われると、「哀しみ方」に正解不正解はないと思っていると語った。「みんなが哀しんでいるなか、特に哀しいと思わないことだってあるわけで、それはそれで肯定していいと思う。同調できないがために自分を責めるのは辛いことだよ。ただ感じるままに感じればいいんだ。そこは自分を信じていい。エイドリアン(・ブロディ)が劇中で『そのままでいいんだよ』と言うね?その台詞を聞いたときにそう思ったんだ。自分の感情に悩む必要はないんだ。ただ感じれば良い。そのままでいい」
わからなくても、そのままでいい。ただ感じるままにいればいい。あたたかくやさしいメッセージをぜひ劇場で受け取ってほしい。
おかしくて、ちょっと切ない、ウェス監督最高傑作『アステロイド・シティ』は大ヒット上映中。
映画『アステロイド・シティ』作品情報
■あらすじ
時は1955年、アメリカ南西部に位置する砂漠の街、アステロイド・シティ。隕石が落下してできた巨大なクレーターが最大の観光名所であるこの街に、科学賞の栄誉に輝いた5人の天才的な子供たちとその家族が招待される。子供たちに母親が亡くなったことを伝えられない父親、マリリン・モンローを彷彿とさせるグラマラスな映画スターのシングルマザー…それぞれが様々な想いを抱えつつ授賞式は幕を開けるが、祭典の真最中にまさかの宇宙人到来!?この予想もしなかった大事件により人々は大混乱!街は封鎖され、軍は宇宙人の事実を隠蔽しようとし、子供たちは外部へ情報を伝えようと企てる。果たしてアステロ イド・シティと、閉じ込められた人々の運命の行方はー!?(公式HPより)
■監督・脚本:ウェス・アンダーソン(『グランド・ブダペスト・ホテル』『犬ヶ島』『ムーンライズ・キングダム』)
■原案:ウェス・アンダーソン、ロマン・コッポラ
■制作:ウェス・アンダーソン、スティーヴン・レイルズ、ジェレミー・ドーソン
■製作総指揮:ロマン・コッポラ、ヘニング・モルフェンター、クリストフ・フィッサー、チャーリー・ウォーケン
■出演:ジェイソン・シュワルツマン、スカーレット・ヨハンソン、トム・ハンクス、ジェフリー・ライト、ティルダ・スウィントン、ブライアン・クランストン、エドワード・ノートン、エイドリアン・ブロディ、 リーヴ・シュレイバー、ホープ・デイヴィス、スティーヴン・パーク、ルパート・フレンド、マヤ・ホーク、スティーヴ・カレル、マット・ディロン、 ホン・チャウ、ウィレム・デフォー、マーゴット・ロビー、トニー・レヴォロリ、ジェイク・ライアン、ジェフ・ゴールドブラム 他
■配給:パルコ、ユニバーサル映画