◆毒親の指示で、風呂にも入れず、一晩中リビングに…

「Tくんは、私が料理を作ってもほとんど食べませんでした。理由を聞いたら、母親以外の人が触った食材を食べられないと。ほかにも、Tくんの洋服は全部お母さんが選んで買ったものだったり、出かけるたびにどこにいるかを母親にメール報告してたり。

 口では『母親が嫌だ。早く家を出たい』と言うくせに、お母さんが提案することを全部受け入れているのが不気味でしたね」

母親の影
 Tくんの家庭は少し変わっているかもしれない、という疑いは、Tくんの家に泊まったときに確信へと変わります。

「お風呂を借りようと思ったときに、Tくんから『それはちょっと遠慮してほしい』と言われたんです。

 理由を聞くと『お母さんから彼女を泊めてもいいけど、家族ではないからお風呂は貸せないし、部屋で寝かせることもできないと言われた』と説明されました」

 結局梓さんは、一晩中、Tくんとリビングにいることを余儀なくされたそうです。

「私が無理に泊めてもらったのならともかく、『泊まっていきなさいよ~』と言ったのはTくんのお母さんなんです。リビングにいる私たちを見て、『おやすみ~』といって普通に寝るお母さんの神経も疑いましたし、素直に従うTくんと、私たちにほとんど関心を示さないTくんのお父さんにもゾッとしました」