◆見ているだけで前の持ち主の妄想が広がる

裾付近の「HERMÈS―PARIS」の文字
 タグを探してみると、日本語のタグはついていません。このシャツは、日本人がお金持ちで、世界中を旅行していた時代、パリを訪れた持ち主がエルメス本店で買ってきたものかもしれません。あるいは、パリへ出張した夫からのプレゼントとか。「もうスカーフはたくさん持っているから、こんどはシャツを買ってきたよ。君の好きなウサギちゃんの柄だったからね!」とか言いながら。このシャツを見ているだけでそんな妄想も広がります。

 またこのシャツは中古品ではあるけれども、状態も非常にいい。以前の持ち主がこのシャツを大事に着ていたということも容易に想像できます。

 これは私が気軽に定価で買えるようなシャツではありません。ついていた値段は、多分買った当時の10分の1ぐらい。ちょっと高級なシルクのシャツぐらいの値段でした。