◆「友達でも会社の人でも、なにか紹介できる人脈ある?」
き、聞き取りとは……?
「甲高い声は一瞬で低いトーンになって、『今紹介できる男友達は何人いるの?』『何してる人?』『友達じゃなくてもいい、会社の人とかなにか紹介できる人脈ある?』って。もう、切り替えが早すぎて男子はポカーンとしていました。そして、今度は『その人たちの連絡先教えて!!』コールの嵐。個人情報なので勝手に教えられないと断っていましたが、何人かの女子は『じゃああたしのID伝えておいてね!』と、ぬかりなく人脈を漁りまくっていました」
もう、それは、同窓会じゃない……。
「ほんと、そうです。懐かしい思い出話に花を咲かせるつもりできたのに、いろいろ圧倒されてしまって。ドン引きというか、もうここまできたら、開き直っていて清々しいかっこよさまで感じました。私も長いこと彼氏がいないので、作るためにちょっと頑張ろうと思えました。
でも、しばらくこの同窓会は参加しないと思います」
今を生きて、必死に未来を見据える女子たちに圧倒される形になった同窓会。「周りの勢いがすごすぎて、途中から胃がもたれた」と川鍋さん。たしかに、毎年参加する気にはならないですね……。
―シリーズ「冬の恋愛、悲喜こもごも」―
<取材・文&イラスト/赤山ひかる>
【赤山ひかる】
奇想天外な体験談、業界の裏話や、社会問題などを取材する女性ライター。週刊誌やWebサイトに寄稿している。元芸能・張り込み班。これまでの累計取材人数は1万人を超える。無類の猫好き。