◆「突然の反乱に、どうしたらいいかわかりませんでした」

「その日は会社を休むことにして、子どもたちを保育園に連れていって帰宅したら妻が帰っていた。前日の夕飯のお皿を洗っていました。どんなに怒っていても、出て行くのはルール違反、身勝手すぎると非難しました。すると妻は、『あなた、ふだんほとんど家事も育児もしてないよね。それはルール違反じゃないの?』と。

しかも妻が言うには、僕の物言いがモラハラであると。そんな意識はまったくなかったから、彼女の突然の反乱に、どうしたらいいかわかりませんでした」

話し合い
ヒロアキさんと同い年の妻・ルリさんは4年つきあって32歳のときに結婚した。ルリさんは当然のように共働きを望み、フルタイムで働き続けた。子どもが生まれたあとも、しばらく休めばと言った彼に対し、「私は仕事が好きなの」と、さっさと保育園を決めてきたという。

「僕はどちらかといえば妻に引っ張られるように生活してきたと思っていたので、妻にモラハラしていると言われてびっくりしたんです」

どこがモラハラなんだと、思わず気色(けしき)ばんだ彼に、妻は淡々と事実を告げた。