神奈川県藤沢市の新江ノ島水族館(えのすい)では、1月13日(土)~3月31日(日)の期間、「毎日深海生物タッチ」を開催している。

冬は深海シーズン

深海と表層の水温差が少なくなる冬は、深海生物の採集や運搬に適した時期だという。

“えのすい”では毎年この時期、えのすいトリーターが底引き網漁船に乗船し、採集・搬入してきた深海生物を展示・飼育している。また貴重な生物の記録や調査のため、標本も作っている。

今年は、この底びき網漁で採集した深海生物(冷凍標本)を間近で観察し、直接さわることができる「毎日深海生物タッチ」を開催。えのすいトリーターたちの乗船・採集・搬入の様子も紹介する。普段はなかなか見られない深海生物たちの体のつくりを見て、さわって、体感し、さらに館内での深海展示や体験プログラムとあわせて、深海の世界を満喫しよう。

「毎日深海生物タッチ」の開催場所は「深海Ⅱ~しんかい2000~」。展示生物はメンダコ、ヨロイザメ、エドアブラザメ、フジクジラの仲間などで、展示生物は更新される。

常設展示も充実

また、同館では常設展示でも深海の世界を紹介している。


「深海Ⅰ~JAMSTECとの共同研究~」では、世界の海の95%を占める深海の不思議な世界を紹介。同館では、JAMSTEC(国立研究開発法人海洋研究開発機構)と協力し、日本で初めてとなる深海生物の長期飼育法に関する共同研究を実施。これまで難しいとされてきたさまざまな深海生物の長期飼育技術開発を行うとともに、その様子を逐次公開しており、深海研究の最前線に触れることができる。


「深海Ⅱ~しんかい2000~」では、日本初の本格的な有人潜水調査船「しんかい2000」の実機の展示をはじめ、コックピットの様子や「しんかい2000」の深海調査研究の歴史を紹介。ほかにも、相模湾で採集された深海ザメの標本展示や、えのすいトリーターが江の島沖を中心に深海調査で使用している水中ドローンと調査で記録した画像や映像も展示している。さらに実際の江の島沖の深海の様子が展示水槽でも再現されている。

魅力的な体験プログラムを開催


また、なぎさの体験学習館2Fで開催している体験プログラム「~〇〇を触って観察~」では、タッチプールに、1月13日(土)からオオグソクムシなどの深海生物が登場している。

1月28日(日)10:30~12:00には、なぎさの体験学習館1Fの発見創造ラボにて、体験プログラム「水中ドローン潜航調査ライブ中継 ~江の島沖編~ Vol.5」が開催される。先着60名(1組6名まで)、小学生未満は保護者同伴となっており、参加申込は1月26日(金)よりホームページで受け付ける。体験プログラの参加費は無料。詳細は、ホームページで確認を。


館内の「オーシャンカフェ」では、人気の深海生物であるグソクムシをかたどったオリジナルパン「グソクムシパン」も販売しているので、見て触れて食べて、どっぷり深海の世界に浸ってみては。

■新江ノ島水族館
住所:神奈川県藤沢市片瀬海岸2-19-1
URL:https://www.enosui.com/

(鈴木 京)