もちろん、これで話が終わるわけはない。「獣」は天童の背後にまだ1人“黒幕”がいると語る。それがこのドラマの鍵を握る「十二支」になれなかった「山猫」だ。武蔵に課せられた新たなミッションは『3時までに山猫の正体を暴くこと』だった。ミッションを果たせなかった場合、部屋に仕掛けられた爆弾が爆発して人質全員が死ぬ。武蔵の姉である二葉(奥貫薫)も、である。「獣」の駿河(宮本茉由)は送られてきた暗号手紙の解読の結果、「山猫」はこの空港にいることが判明する。つまり、武蔵は危険うずまく空港内に潜む黒幕を探し出さねばならなくなった。そんな中、解放された天童が武蔵にある取引を持ちかける。

 一方、武蔵の妻である裕子(比嘉愛未)は、サイコパス警官・綾部(吉田健悟)に殺されそうになったところを謎の男・大河(ジェシー)に助けられる。裕子は大河と共にとある建物に逃げていくのだが、そこは「獣」の集団のアジトだった。そして大河は「俺は獣だ」と語る。

 悠月や大河など、第6話でも「獣」の正体が次々と明らかになったが、この物語を動かしている真犯人にはまだ辿りつかない状況だ。空港にいる人物となると対象者が多く、なかなか予想も難しい。武蔵のバディでありその動向を把握しやすい本庄(瀧内公美)が怪しく見えるが、やはり「山猫」の大本命は失踪した武蔵の兄、そして武蔵の姉・二葉だろう。特に彼女は神奈川県議会議員、つまりは政治家であり、復讐に燃える獣の集団が何かしら恨みを抱いてもおかしくない。県民からは親しみやすい印象を持たれているが、裏では政治のために手を汚す……という二面性があるとしたら実に黒幕らしい。また、身を挺して他の人質を守ろうとする様子なども「実は無事だとわかっている」からではないか、との指摘もある。