◆つらいとき、支えてくれた義母の言葉
――妊娠期間を振り返って、どんなことが印象に残っていますか?
あいり:これまでに2回流産を経験していたので、妊娠中はすごく不安でした。そのうち1回は赤ちゃんが亡くなってしまった週数的に手術が必要だったので、出産するまで「ちゃんと育つかな」と心配していました。
つわりも結構大変で、私は吐くのがどうしても怖かったので、吐き気を紛らわせるためにサイダーを飲んだりフリスクなどスーッとするようなものをずっと食べていました。さらに普段とは食べたいと思うものが違っていて、なぜかコンビニのサラダ巻きばかり食べていた時期がありました(笑)。でも、「ちゃんと赤ちゃんが育っているんだな」と辛いつわりでさえも幸せを感じていました。
――不妊治療で苦労していたことは、あいりさんや旦那さんのご家族も知っていたのでしょうか。
あいり:両家の両親共に話していました。振り返ると義母は私にプレッシャーをかけないようにしてくれていたんだなと思います。流産をしたときも「みなまで言わなくていいよ」という感じで接してくれて、「あいりちゃんの体が元気ならそれでいいからね」と私のことをいつも気遣ってくれました。
夫が長男なので、「1人は産まなきゃいけない」と焦りのようなものがあったのですが、お義母さんは「本当に子どものことは気にしなくていいから」とずっと言ってくれていました。その点に関しては私の親も同じで、私が不妊治療で苦労しているのを知っていたので「そんなに頑張らなくていい」と言ってくれて、「孫の顔が見たい」といったことは一度も言われたことがなかったです。そのおかげで、プレッシャーを感じず自分の気持ちだけで不妊治療を進めることができたと思います。