スタジオ内には悲鳴が響き渡るが、行司役のズッキーは「キャメラ止めろ」と冷静に純子に歩み寄る。そして、「まず、男の人、(スタジオから)出ましょう」「ブルーシートで彼女を隠して」と周囲に声をかける。続けて、「肉襦袢のファスナー下ろして、氷で後頭部冷やしてあげましょうか」と女性スタッフに指示を出す完璧な対応を見せた。
◆見習いたい、谷原章介の“座らせ方”
「セクハラで訴えられる」と考え、困っている異性を助けることを躊躇(ちゅうちょ)する人は少なくない。そう思ってしまう背景には“正しい助け方”がわからないことが影響している。
ただ、谷原、田中、ズッキーの3人の対応を見ると、正しい助け方のヒントをいくつか学ぶことができる。まず谷原と田中は異変を感じても大きい声を出さず、落ち着いたトーンで声をかけていた。騒がれれば体調を崩した人に注目が集まり、余計なストレスを与えることになる。安心感を持ってもらうためにも、助ける側が慌てないことはマストだ。
特に谷原の座らせ方は見習いたい。倒れ込もうとする女性を支える際、つい抱きかかえるように胸元や腰を触りやすい。100%の善意だったとしても、本人や周囲から“セクハラ”と勘違いされるリスクがある。その点、谷原は腰や胸元ではなく肩・腕を持って身体を支えていた。
また、脱力した人間の身体はとても重い。身体をしっかりホールドできても身体の重さを支えられずに手を放してしまう可能性も低くない。ただ、谷原は膝で背もたれを作り、小室がしゃがみやすくなるように上手くリードしており、小室が頭や肩をぶつけるリスクを完璧に潰していたのだ。