「さすがに眠れなかったので外に出ると、やはりそこには男女が話している姿が見えました。従業員にそのことを伝えると『イベントなので……』と濁されてしまいました。そこでイベントの内容を聞くと、婚活イベントであることが明らかになったのです。
テントの移動をお願いしたのですが、それもできず……。男女のいい感じの雰囲気を邪魔することもできないので、我慢して寝ようとしました」
◆男女のイチャイチャがはじまり絶望
キャンプ場での婚活パーティーは、グループだけでなく、気になる男女が1対1で話せる企画もあるようです。浅野さんは、その様子を目の当たりにします。
「結婚に向けた男女のやりとりが私のテントの後ろで行われていると思うと、気になって仕方なくなりました。深夜まで男女の駆け引きは続き、雰囲気もお互いに“いい感じ”になっているようでした」
そして、男女2人の雰囲気は徐々に変わっていきます。
「喋り声が急になくなったんです。やっと静かになったと思い目を閉じると、なんだか他の音が聞こえてきました。よく耳を澄ますと、2人はイチャイチャしていたようで、音は収まるどころか、どんどん高揚していきました。無理矢理泊めてもらっているため、クレームも言うことができず、結局我慢することしかできなかったです」
◆大人の恋愛を目にし、恋愛に向かないと再認識
そして翌日、浅野さんは寝不足のまま起きることに。
「結局深夜2時ごろまで私のテントの後ろで他人のイチャイチャ声を聞く羽目となり、最悪の気持ちのまま眠ることとなったのです。翌朝は、寝不足のまま観光しました」
まさか、キャンプ場で予想外の出来事が起こるとは思ってもいなかったでしょう。浅野さんは大人の生々しい恋愛を目の当たりにし、やっぱり自分は恋愛には向いていないと実感したそうです。
<文/Honoka Yamasaki イラスト/カツオ>
【Honoka Yamasaki】