前日から体調がすぐれない旦那さんを見ていて、心配と焦りの気持ちがあったと、奈津さんは当時の様子を話してくれました。
「幸い家から式場が近かったこともあり、ギリギリまで様子をみようとスタッフの方と話していたのですが、『嘔吐が止まらない。お腹も痛くて、胃腸炎かもしれない』と夫から連絡が来ました。その時は頭が真っ白になり、悲しいような悔しいような言葉にならない感情になったのだけは覚えています。
式場のスタッフの方から『もし旦那さんが時間通りに来るのが難しければ、可能な範囲でオンラインで繋ぐ方法はどうですか?』などと土壇場でいろいろな提案をしていただいたのですが、夫にビデオ電話をしてみると、画面上だとしてもニコニコ笑える様子ではなさそうで、『とりあえず、任せて!』と夫に伝え、その瞬間私は一人でもなんとか式を成功させようと腹をくくりました」
きっと新郎不在の結婚式は異例だったと思う、と語ってくれた奈津さんですが、夫の弱っている姿を画面越しに見て、今すぐにでも家に帰って看病したい気持ちもありつつ、遠方からわざわざ来てくれている友人のことを考えると、なんとしてでもこの式を成功させるしかないと気持ちを切り替えたといいます。
◆新婦のみでの結婚式がスタート。参列者の反応は?
「開始1時間前になり、夫からは『本当にごめんなさい。2人で準備も頑張って、みんなわざわざ来てくれるのに、申し訳ない』と電話が来ましたが、スタッフさんと急いで打ち合わせをして新婦とゲストの歓談メインの式にしようとなりました。受付で、新郎が体調不良だということを伝えることから始まり、両家の親族にも夫から連絡がきていたようで、夫のご両親からも何度も『奈津ちゃん、本当にごめんね。』と声を掛けていただきました。
一人で歩くバージンロードは寂しさもありましたが、参列者の方々が精一杯盛り上げてくれたので、最後まで笑顔で歩くことが出来、夫の体調不良を『あいつ大事な時になにやってんだよー!!』と愛のあるイジりで場を和ませてくれた夫の友人、職場の方々の声にも本当に救われました」