もちろん高レベルなアクションシーンも見どころ。銃と刀を構える様子から只者(ただもの)ではないオーラを放ち、パンチや蹴りは早すぎてもはや目で追えない。慣れた手つきでサクサクと人を殺し、大勢の男性に対し小柄な女性ならではの動きでしっかりとどめを刺す生身のバイオレンスアクションに惚れ惚れした。
◆池松壮亮の格闘シーンは痛いほどの緊張感と泥臭さに圧倒
地元の先輩殺し屋で世代の差から2人とバチバチなお局殺し屋役の入鹿みなみ(前田敦子)など新キャラたちも癖が強くて魅力的。何より“ちさまひ”の前に立ちはだかる謎の男・冬村かえでを演じる池松壮亮の凄みといったら。
登場からぎょっとするほどの身体の厚みに目を奪われ、まひろとの格闘シーンは痛いほどの緊張感とその泥臭さに圧倒された。『ジョン・ウィック:コンセクエンス』にスタントパフォーマーとして参加した伊澤彩織とタイマン張れるだなんて……!
真面目で一生懸命なのにあまりにも不器用で孤独な様子に、もしかしたらかえではちさとに出会えなかった世界のまひろなのかもしれないなあ、と思えてやるせなかった。
キャラ良し、アクション良し、会話良し! 笑って泣けて、興奮して、何通りにも楽しめる今作。一番好きなのはまひろの顔の近くに手を添えるようなファイティングポーズです。絶対真似できるようになりたい。
『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』
監督・脚本:阪元裕吾 出演:髙石あかり、伊澤彩織、前田敦子/池松壮亮ほか アクション監督:園村健介 配給:渋谷プロダクション 2024年/日本/カラー/シネスコ/112分/5.1ch ©2024「ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ」製作委員会