「ちょうどDさんの世代がドンピシャなミュージシャンだったんです。本当に私の周りは誰も共感してくれなくて寂しい思いをしてたので……。その時点ではDさんが既婚者だとは知らなかったし、正直あまり意識はしていなかったんです」
◆指輪に気づくも、スマートさに惹かれ男女の仲に
暫くはそのミュージシャンの情報交換のような連絡しかしていなかったそうですが、ある日Dさんから「チケットが余ってるんだけど一緒にライブに行かない?」と誘われたことで関係が進展してしまいます。
「ライブ終わりに『ちゃんと帰りも送っていくから食事していこうよ』って言われて、そこで初めて音楽以外のこともいろいろ話したんですけど、どんなことも親身になって聞いてくれるけど、会話はちゃんとリードしてくれるようなスマートさに一気に惹かれていってしまったんです」
それ以降、二人はライブという口実がなくとも会うようになり、何度目かの食事の後に男女の関係になってしまいます。
「彼が左手の薬指に指輪をしていることは、その頃にはもう気付いてはいたんですけど……好きって気持ちを止めることはできませんでしたね。それが確か高校2年生の終わり頃のこと。そこから高校3年生の3学期くらいまで付き合いは続きました。私は短大に進学が決まったくらいから、なんとなく連絡を取らなくなって、そのままふんわりと自然消滅という形になりました」
時は流れ、それから2年後。短大卒業後の就職先も決定し、Y子さんは社会人としての第一歩を踏み出そうとしていました。
◆なんで今さら!? 80万円の慰謝料請求が…
「その頃にはもうDさんのことはすっかり忘れていましたね。好きだったミュージシャンへの熱も冷めていたし(笑)、このまま初恋の淡い思い出となっていくんだろうと信じて疑っていませんでした」
しかし、思いがけない便りがY子さんの家のポストに舞い込んできました。それはなんと、Dさんの奥さんからの内容証明。Dさんとの不倫の慰謝料として80万円を支払うように求められていました。