あいかわらず情報量が多いし謎だらけですが、ようやくミステリーパートも配置の説明を終えて解決に向けて動き出したようです。
警察に連れていかれた愛生は、取り調べに対して「私が息子を殺しました」とか言ってましたね。どうやら母子とも死んだことにしたいようで、夫(向井理)から逃げるためなのかな、という感じで次回へ。
■疲れるなぁ……
遊園地で仲良く遊んでるみっくんとライオンを見ながら「なんだよ、疲れるなぁ……」と穏やかな表情でつぶやく柳楽優弥が今回のハイライトでした。
予定外の事態が発生すると、必ずパニックを起こしてしまうみっくんとずっと暮らしてきたヒロトは、何事もなく、平穏であることを最優先に生きてきました。
そんな生活にもすっかり慣れ、みっくんのASDに対処しながら生きていくことに「疲れなく」なっていたところに、ライオンが現れたわけです。
それからというもの、ヒロトとみっくんの生活はイレギュラーだらけ。みっくんのパニック発動回数も飛躍的に増えたわけですが、その一方でみっくんの見たこともない表情を見ることができたし、みっくんが初めて自分たちを絵に描いてくれるという僥倖もあった。
ようやくライオンを母親に会わせる日が来ましたが、ヒロトはやすやすと愛生にライオンを引き渡すつもりはない。愛生の現状や考えを聞いたうえで、判断しようとしている。だから、「疲れたなぁ」じゃなくて「疲れるなぁ」なんですよね。現在進行形なわけだ。
このへんの丁寧なセリフ回しと俳優部の柳楽・坂東・佐藤のすごい芝居があるので、そっちの平和な世界観に浸ってるほうが心地いいんだけれども、「X」とか桜井ユキとかが出てくると「あ、そうかミステリーだ」とリセットがかかってしまう感じがある。右耳と左耳から、違う物語を聞かされているような感じというか。
これ、おもしろいかおもしろくないかでいえば、けっこうおもしろいと思うんですが、気持ちいいかどうかでいうと、けっこう気持ちよくないんだよな。ミステリーとしても出来が悪いわけじゃないけど、両輪で回ってない。邪魔してる印象が否めない。まあ、第2話でも書いたけど、坂東龍汰のASD芝居が、当初の作り手の想定を超えて視聴者に刺さってしまっているということなんだと思いますけど。
(文=どらまっ子AKIちゃん)