◆もしや「夫に不倫がバレるか」はメインじゃない?
3話では1話のモラハラムーブが嘘だったかのように宏樹はすっかり改心。「美羽にずっとひどいことしてた。会社でいろいろあって」と美羽にモラハラした理由を素直に説明したうえでキチンと謝罪した。
宏樹のキツい言動もしばらく続くと思っていただけにこれまた的外れ。それだけではなく稜の生存も判明。さすがにメインキャラである稜の再登場は予想できたが、それでも3話はあまりに早い。しかも美羽との再会を果たすのもやはり早すぎる。
ここまで面白いくらいに予想を外してきたため、「次は何が起こるのか?」ということを純粋に楽しみながら鑑賞したいと思う。ただ、あえて性懲りもなく今後についてフワッと予想したい。
本作は「托卵をいかにバレないようにするのか?」といった“従来の不倫ドラマみたいなストーリー”を当初はイメージしていたが、ここまで怒涛の展開が続いていることを鑑みると「托卵が発覚した際、当事者を含めて周囲の人間はどのように心境になるのか?」にスポットライトを当てていくのかもしれない。
◆「みんなが大好きな田中圭」が再び崩壊する時
ストーリーはもちろん、田中圭も大きな見どころだ。2話では仕事が忙しくなるため「美羽のことも子どものことも何もできない。何もできないというより、するつもりはない」「育児にも口を出すつもりない、でも金は出すから」と出産前からのネグレクト宣言をしていた宏樹ではあるが、3話では育児に苦戦する美羽に助け舟を出す。
それから育児に積極的に参加するようになり、行きつけの喫茶店のマスター・浅岡忠行(北村一輝)から子どもの写真を見せるように催促されると、「えぇ」と嫌そうにしながらもまんざらでもない表情を浮かべる。
さらには、リビングで1か月検診を控える子どもを抱きかかえながら「頑張るんだぞ」とエールを送り、額と額を付き合わせていた。誰かを愛でている時の田中の演技は眼福であり、1話のギャップも手伝ってついつい頬が緩んでしまう。まさに「みんなが大好きな田中圭」が映し出されていた。
とはいえ、托卵の事実が発覚した時のこの優しい表情が失われるのかと思うとゾッとする。どのように壊れるのかも含め、子煩悩な宏樹にも注目したい。
<文/望月悠木>
【望月悠木】
フリーライター。主に政治経済、社会問題に関する記事の執筆を手がける。今、知るべき情報を多くの人に届けるため、日々活動を続けている。Twitter:@mochizukiyuuki