ローマでバチカン以外に1つだけ教会をみたい!という方に必見の教会をご紹介。聖母マリアに捧げられた教会の中で、世界最大規模を誇る教会です。建物の美しさや内部の豪華さも必見に値します。ベルニーニのお墓がある教会でもあります。
サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂とは?
古代ローマの繁栄を支えたと言われる7つの丘のうちの一つ、エスクイリーノの丘に建つサンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂。古代ローマ時代の建築様式である、バジリカ様式で建てられた教会です。また、サン・ピエトロ大聖堂をはじめとする、サン・ジョヴァンニ・イン・ラテラノ大聖堂、サン・パオロ・フォーリ・レ・ムーラ大聖堂と並んで、ローマの4大バジリカと呼ばれ、世界遺産にも登録されています。
4大バジリカの共通点
バジリカとは、建築様式の一つと説明しましたが、それと共に、キリスト教において高い地位を示す聖堂の名称としても使われます。4大バジリカのうち、サン・ピエトロ大聖堂はバチカン市国内に建っていますが、他の3つの大聖堂は、ローマ市内に点在しています。すべて治外法権、バチカン市国の領土になります。サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂には、法王専用の祭壇があり、聖年にのみ開閉される「聖なる扉」があり、教会の宝である聖遺物も、より価値あるものとされ、キリスト誕生の際に使用した、かいば桶の木片がおさめられています。
サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂の伝説
教会の創建には、言い伝えがあります。356年の夏、法王リベリウスの枕元に聖母マリアが立ち、雪が降る地に聖堂を建てるよう指示したそうです。数日後、真夏のエスクイリーノの丘で雪が降るという奇跡が起こり、マリア様に捧げる教会として大聖堂が建てられました。
サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂の見どころ
まったく違う顔を見せる外観
サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂は、正面から見る姿と、後側の姿が、まるで違う建物のように、まったく別の表情を持ちます。正面のファサードは、18世紀半ばに建設された2階建てで、右後ろにそびえるロマネスク様式の鐘楼は15世紀のもの。ローマで最も高い鐘楼と言われています。
エスクイリーノ広場に面して建つのが後側で、中央部分の半円形にせり出したバロック様式の後陣(アプシ)と、左右の翼廊の上にある2つのクーポラが壮大な姿を見せてくれます。
入場の際は、「聖なる扉」もご覧くださいね。聖年にのみ開閉される、特別な扉で、キリストとマリア像が描かれています。この扉を通ると、犯した罪を免ぜられるそうですが、通常は閉じられています。信者の祈りの証でしょうか?キリストやマリアの指先が多くの人々の手に触れて、金色に輝いています。
豪華絢爛な内部
内部に足を踏み入れると、高い天井と36本もの大理石の柱で仕切られた中央廊は全長86m。その長さに圧倒されます。文字を読めない信者にもわかりやすいよう描かれた列柱上部のモザイクや、まばゆいほどの中央天井にはため息が出ます。この天井に使われている金は、コロンブス一行が、初めてアメリカ大陸から持ち帰ったものが使用されているそうです。
フェルディナンド・フーガ作の天蓋や、天蓋の後ろにある後陣のモザイク「マリアの戴冠」、パオリーナ礼拝堂やシスティーナ礼拝堂も必見ポイントです。
地下礼拝室も必見
サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂では、地下の礼拝室に足を運ぶのも忘れないでください。地下の部分には大理石で作られた巨大な教皇像・法王ピウス9世が祈りをささげています。圧倒される大きさと存在感、優しい面差しに、感動してしまいます。法王の視線の先にあるのは、かいば桶の木片が納められている聖遺物になります。
ベルニーニゆかりの教会
建築・彫刻・絵画など、バロック芸術の巨匠と言われた、ベルニーニの作品がおさめられている教会は数多くありますが、それらと一線を画すのが、サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂。先にご紹介した、地下の礼拝室に、ベルニーニのお墓があるのです。大聖堂内のパオリーナ礼拝堂の造営のために、ナポリから呼ばれたのがベルニーニの父でした。当時7歳だったベルニーニを連れた一家は、大聖堂裏手の町に住んでいたそうです。そんな縁から、一家のお墓があるそうです。