◆子連れ男性からの性被害
――スーパー銭湯で中年男性から性被害に遭ったのは、何年生のときだったのでしょうか。
魚田:小学1年生のときでした。女の子の友達の家族と一緒に遊びに行っていたのですが、ゲームコーナーで遊んでいたらお尻を触られました。
そのおじさんは私と同じ年くらいの男の子を連れていたので警戒心を解いていたんです。
当時は、自分が何をされているのか理解できませんでした。良いことなのか悪いことなのかも分からない。
「なんでお尻触ってるの?」という違和感を持っていいのかも判断できず混乱状態でした。「嫌だ」と思ったことを誰かに言ったら怒られるかもしれないという漠然とした不安がありました。
最近は、小学校低学年の子どもでも「プライベートゾーンは人に見せたり触らせたりしたらダメだよ」と学ぶ機会があるので、同じ目に遭っても「ダメなこと」だと分かるかもしれません。当時はそういう知識を学ぶことが全くありませんでした。
――後日、周りの人に打ち明けたとき、どんな反応があったのでしょうか。
魚田:スーパー銭湯に一緒にいた友達に打ち明けたら、ネタにしてからかわれるようになりました。その子もどう捉えていいか分からなくて、笑いに持っていったのかもしれません。
母は、「お尻くらい大したことないわよ」という感じでした。母がなぜそう言ったのかは分からないのですが、子どもの言うことに対して半信半疑だったんだと思います。