「目下、『ジャンプ』では『ONE PIECE』『呪術廻戦』『僕のヒーローアカデミア』などの人気作が最終章に突入しており、編集部サイドも次の看板作家が足りていない状況に焦りがあるのかもしれません。また、集英社は2023年秋に他誌連載経験のあるプロ作家向けの説明・相談会を開催。その際に、同誌の原稿料が“モノクロ1P 1万8700円以上、カラー1P 2万8050円以上”であることが公表され、それを知った漫画家たちから『高い!』『さすがジャンプ』と羨望の声がSNSに飛び交ったものでした。和久井氏にとってもこの好条件は魅力的だったことでしょう」
しかし、一方でネット上では不安の声も聞かれるという。
「『東京卍リベンジャーズ』は映画やアニメとの相乗効果で、一時は国民的漫画になりえる勢いがありましたが、物語の終盤に突如、これまでの数々の伏線が回収されないままオカルト展開となり、ファンが呆然。“名作”から“迷作”となってしまった。また、『ジャンプ+』で人気を博した『地獄楽』の作者・賀来ゆうじ氏が2021年に『週刊ジャンプ』誌上で“裏社会×異能”バトル漫画『アヤシモン』を連載するも半年で打ち切りとなった例もある。『ヤングジャンプ』などの青年誌であればまだしも、令和の少年誌でアウトローものがフィットするかは不安の残るところです」(前出・サブカルライター)
いまだにアンケート至上主義と言われている『ジャンプ』だが、和久井氏の新作に読者がどう反応するのか、そして活躍に期待したい。