その紙袋をいつもの港で開けてみると、中にはハギャレンのみんなが一生懸命作ってくれたであろうアルバム的なものが入っています。「ムスビンありがとう」「感謝」「ずっと親友」、丁寧に切り抜いた写真と一緒に、ギャルたちが手書きで書いてくれたメッセージがあふれています。ルーリー(みりちゃむ)たちも、こうして手を差しのべてくれるのです。のべるねえ。
さすがに涙ぐんでいると、今度はカッパ(佐野勇斗)がのべにやってきました。自分は来年、エースとして甲子園に行く。自分は消えない。力強いまなざしで、そう結ちゃんを勇気づけてくれるのです。次々にのべられすぎて茹ってしまったのか、結ちゃんその場に倒れてしまいます。
結、昏倒の報を受けた姉・アユ(仲里依紗)は天神のバーで始めたバイトをほっぽりだして、一目散に実家に戻り、結ちゃんの部屋に。聞けば、結ちゃんが倒れたのは過労が原因だそうです。朝と夕方に畑の手伝いをしてて、過労になったんだって。
なんそれ!?
って話なんだけど、まあアユが誰よりも激しい「のべっぷり」を見せたことを表現するためのアレということでしょう。
■優しい人たち
というわけで、今回は結ちゃんの周囲の人たちがめちゃくちゃ優しいということが描かれました。書道部も、ハギャレンも、みんな結ちゃんをほしがってくれる。カッパは甲子園を目指しているのに、いつだって練習を放り出して結ちゃんに会いに来てくれる。アユも全力疾走で駆けつけてくれる。
ホントに優しい人たち。
でも、これはドラマであり、フィクションですから、松本怜生や佐野勇斗や仲里依紗が橋本環奈に優しいわけではありません。脚本家が結ちゃんという女の子を「こんなにも優しくされて、しかるべき人物である」と考えているということです。不愛想で、人に感謝できないこの女の子に、これほどまでに「愛される資格がある」と考えている。ここまでの『おむすび』全27回で「愛される資格がある人」を描いてきたと自負している。