90年代後半、ロンドン在住の知人から日本語人気を耳にしました。

滞在中も自分の名前を日本語で書いてくれと言われ、馬のように顔が長い男性「ダファ」に「駄馬」と書いたっけ。

今思えば、彼はカタカナで書いてほしかったのかもしれません。

その後、カムデンなど、いくつかの街のセレクトショップで、「トーキョー」などカタカナ表記の蛍光色Tシャツを見かけました。

カタカナは世界でも類を見ないタイポグラフィ(文字の形や書体)なんだよなぁと考えさせられます。

影響されやすい僕は、ロンドン滞在以降、

浅草や京都で見かける日本語表記でプリントされたTシャツを見かけても味があると思うようになります。

その影響か、旅行作家としてデビューする際、ホワイトマンで使用してきた「イシコ(小学生の頃からのニックネーム)」にするか、本名にするかで迷い、結局、カタカナを選びました。

さて、話は変わり、農作業。

昨年まで、農作業中、てっぺん部分が破れたお気に入りの麦わら帽子を使用していたのですが、さすがに穴が大きくなり、廃棄することに。

次の帽子を選ぼうと様々な店で探してはいたのですが、お気に入りに巡り合いません。

そう思っていた際、先日、ポストにJA(農業協同組合)の帽子が入っていました。

JAと取引のある農業従事者に贈られたようです。

30代の頃だったら、日本語が表記された帽子を見て笑いながら、そのまま押し入れの奥に放り込まれていたでしょう。

それが今では、日本語表記の「にしみの」がカッコよく見えるのですから不思議なものです。

これが、また、メッシュ素材で気持ちいい。

今年の夏の農作業は、この帽子で乗り切ってきました。<text:イシコ>