理論社は、いとうみくさん・作、かのうかりんさん・絵の『こてんちゃんがきた!』を、10月18日(金)より発売中だ。

「違い」は魅了につながる

『こてんちゃんがきた!』1,430円(税込)は、すみっこでうまれる喜怒哀楽を丁寧にすくいあげる、珠玉のいとうみくさんの低学年もの読みもの。かのうかりんさんよりイラストともに魅力的な「こてんちゃん」が生まれた。



ゆずくんのクラスにやってきたこてんちゃんは、ランドセルをしょわずに羽があり、うわばきじゃなくて下駄をはいている。教室でも帽子をとらないし、暑くなくてもうちわであおぎ…。違いがいっぱいでも、うまくやれるもの!?

ひととひととは、「同じ」だから親しくなれるのだろうか?「違う」と近づけないものだろうか?ゆずくんのクラスにやってきたこてんちゃんは、クラスメートから「変わっている」と思われる。表面上理解のあるふりで一定の距離を保つこともできるだろうが、知り受け止めたあとに、「違い」は関係性を邪魔するものではなく、そのひとの魅力そのものにつながっている面もあることが嗅ぎとれることを願っている。

著者は、数々の賞を受賞

著者のいとうみくさんは、神奈川県生まれ。「糸子の体重計」で第46回日本児童文学者協会新人賞を、「空へ」で第39回日本児童文芸家協会賞を、「朔と新」(講談社)で第58回野間児童文芸賞を、「きみひろくん」(くもん出版)で第31回ひろすけ童話賞を、「つくしちゃんとおねえちゃん」で第69回産経児童出版文化賞ニッポン放送賞受賞を、「あしたの幸福」で第10回河合隼雄物語賞を、「ぼくんちのねこのはなし」で第38回坪田譲治文学賞を、受賞している。

同書のイラストを担当した、かのうかりんさんは、愛媛県生まれ。東京造形大学彫刻科を卒業している。「いろんなおめん」で第7回フジテレビBe絵本大賞を、「きみがおしえてくれた。」(今西乃子・文)でけんぶち絵本の里大賞 びばからす賞を、受賞している。また「かなしきデブ猫ちゃん」(文:早見和真)は、NHK総合でアニメ化。ほか作品に「おやすみ おやすみ みんなおやすみ」「まねっこにゃんころもち」「どろぼうねこ」シリーズ(こまつのぶひさ・ぶん)『トドにおとどけ』(大塚健太・作)などがある。