京都で生まれ育ったライター・紫原が、地域に根差した情報をピックアップする。今回ご紹介するのは、味覚の秋にぴったりなイベント「鯖寿司大博覧会&京北マルシェ」。11月10日(日)、スーパーマーケットのサンダイコー京北店前広場にて開催される。

食と文化が行き交う「西の鯖街道」

かつて若狭湾で水揚げされた海産物は、人の背に担われて京都の町へ届けられていた。近年では、物資や人の往来で利用された道を総称して「鯖街道」と呼んでいる。

数ある鯖街道のなかで、1900年代初頭に鉄道が敷設されるまで福井県若狭地方と京都を結ぶ最短ルートだったのが「西の鯖街道」だ。

その道のりは、標高800メートルの丹波高地を挟み、福井県高浜町からおおい町名田庄、京都府南丹市美山町、京都市京北を経由して京都御所に至るというもの。また、鯖街道沿いの地域には京都の文化がもたらされたことから、物流だけでなく文化交流の促進にも貢献していたといえるだろう。

2010年11月11日には、西の鯖街道が京都府内で4番目、近畿では19番目となる「日本風景街道」に登録された。

「鯖寿司大博覧会&京北マルシェ」概要

西の鯖街道上に位置する、京都の京北地域。昔から、ハレの日には各家庭で手作りの鯖寿司を食べる習慣があったという。

そんな鯖寿司との縁が深い京北の周山(しゅうざん)地区で、「鯖寿司大博覧会」が開催される。


昨年度の好評を受け、2024年は規模を拡大してサンダイコー京北店前の広場を特設会場に。

京北はもちろん、福井県の高浜町やおおい町、京都府南丹市美山町など西の鯖街道に連なる各地から、自慢の鯖寿司が集結する。また、鯖バーガーや鯖押おにぎり、鯖味噌出汁うどん、さばのへしこピザといった変わり種フードも見逃せない。

さらに、目玉商品として日本一高級な鯖寿司が登場する。京北産の米と厳選された国内産の鯖を使用した鯖寿司は、なんと10万円。京北に工房を構える村山木工が特別に制作した京組子の箱入りで、1個限定で抽選販売される。気になる人は、チラシ記載のQRコードにアクセスして抽選への応募方法を確認しよう。また、イベント当日にも10時から30分間、応募を受け付けるとのこと。その後10時30分に抽選が行われ、購入者を決定する。