「現地の人々との交流には地域差がありましたが、基本的にはどの土地でもウェルカムな空気を感じました。当時はニュースで大々的に報道され、人と人との距離が難しい時期でしたが、だからこそ受け入れてくれる人々の温かさが身に沁みました。日本という国の素晴らしさを改めて感じました」

◆車中泊子育てで気をつけたのは“YouTubeの見せすぎ”

娘のことちゃん
 車中泊子育ての最中に気をつけるべきこと。これを事前に考えたとき、筆者が思い浮かんだことはケガでした。自然の中で転んだり虫に刺されたりなど、さぞサバイブした勲章があるだろうと思い質問をぶつけると、こみあげさんからの回答は意外にも「YouTubeを見させすぎないこと」との回答が……そこは普通の家庭と同じなのでしょうか?

「車中泊生活中は、YouTubeやテレビの見すぎには気をつけました。動画の視聴は否定しませんが、僕ら夫婦は、子どもの『リアルな体験』を重要視していたので、なるべく動画視聴しないで済むようにしていました。それでも仕方ないときは、時間を区切ったり、視聴後に『何を見たのか』などコミュニケーションを取ることで、娘のバランスを考えサポートするようにしていました。

キャンピングカーで生活することの最大のデメリットは、天候に日々の生活が大きく左右されることです。天気が悪い日が続くと、電気も作れないのでやることがなくなります。道の駅など施設を利用することもありますが、なかなか近隣で見つからないケースもあります。そういう時には、スマホを渡すこともありますが、見せすぎには本当に気をつけますね。

あとは健康管理には気をつけますが、避けられない部分はあります。ちなみに車中泊中に1人が風邪を引くと、全員もれなくうつります。一時保育に通わせた際に、娘がコロナをもらってきた際は、その後夫婦も感染しましたね」

 こうした経験は、一見すると不自由も多いように感じますが、こみあげさんは「旅をしてると腹がすわる」と語ります。普通の生活とは違う困り事も多いからこそ、一つひとつを対処する中で、より人間的になれるのだと言います。