◆ケア児ママたちの教祖

「施設長の女性がスピリチュアル療法士にハマっていて、ほぼ言いなりなんです。施設の運営にまで不穏な動きや支障が出るようになったことで共同経営者が困り果て、私にも相談してくるようになりました」

春奈さんの言う「スピリチュアル療法士」は、表向きは一般的な理学療法士だ。清潔感漂う、グレイヘアの中年男性。爽やかなスポーツマンといった雰囲気で、いわゆる「イケおじ」と呼んでも違和感なさそうだ。

イケおじスピ療法士202402
春奈さんも、その療法士にお世話になったひとりである。春奈さんの子どもが小学校でケガをしたことから施設長に紹介され、リハビリサロンへ通うようになった。

「リハビリ自体は、ごく一般的なものでした。おかげでウチの子も無事回復して、いまでは支障なく元気に日常生活を送っています。しかし、後から知ったんですよね。施設を利用するお母さんたちのあいだで、その療法士が教祖さまみたいになっていることを」