◆今後は大学・企業でのポスト、またはTVコメンテーターの道か

 鳩山由紀夫首相(当時)への風当たりが強かったのも相まって、この「愚か者めが!」は大ブレークしました。フレーズをプリントしたTシャツまで販売され、ここが政治家、丸川珠代のピークでした。

 しかし安倍晋三氏が亡くなると、次第に党内での立場は危ういものに。昨年の国会で、立憲民主党の長妻昭議員から「愚か者めが!」発言をただされた岸田文雄首相(当時)が「反省しなければならない」と答弁したのです。これは明確なメッセージでした。

 その後、安倍派を中心とした裏金問題が明るみとなり、該当した丸川氏にも処分がくだされ、今回の落選に至る、という流れです。

 さて、そんな丸川氏ですが、早くも今後の活動に注目が集まっています。元財務官僚の経済学者、高橋洋一氏は自身のYouTubeチャンネルで大学のポスト、もしくは会社の顧問に収まるパターンを予想。同じような肩書を複数得られれば、月に数百万の収入が確保できるだろうと話していました。

 もうひとつは、多くの政治家経験者と同じく、テレビコメンテーターの道。テレビ朝日のアナウンサー時代に担当していた番組のつながりを利用して、ふたたびビートたけしとの絡みを模索するのではないか、と予想する関係者もいました。

(画像:テレビ朝日公式サイトより)
(画像:テレビ朝日公式サイトより)
 というわけで、今回は丸川氏がコメンテーターになったケースを想定して、課題を考えていきたいと思います。ここでは同じく自民党所属だった二人の元女性議員と比較してみましょう。

◆金子恵美氏、野党批判するが丸川氏ほど過激に転じないのが強み 

金子恵美『許すチカラ』集英社
金子恵美『許すチカラ』集英社
 まず金子恵美氏。基本的な論調は、時の政権寄りで、野党のスタンスに批判的です。“批判だけに終始する野党には政権担当能力がない”ということを、冷静に説くスタイルですね。