清掃がひと段落ついたとき、神社の方が三時のおやつを持ってくるように、「これよかったら皆さんで」と、カツオを持ってきた。

ほんぎゃあ、鰹だ!

「あなたも食べなさい!」

と、半ば遠慮は許しませんという気配で、ぼくも同じ場に混ぜていただき、カツオをいただいた。人との出会いとカツオの美味しさと、ささやかな偶然性が、旅の思い出になっていく。

(仁科勝介)

写真家プロフィール

仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
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