「冬は種をまけないため、3月から5月は食材が不足しがちで、保存食に助けられています。保存食をつくっているときは、お金ではないのだけれど、貯金している気分になるんですよ。現金も必要ですが、何より食べるものがあれば大丈夫と安心できます」
◆熊本地震では……
2016年の熊本地震では台所の被害が一番大きく、唯一の趣味で集めている器も半減。それでも「また集める楽しみができた」と朗らかです。台所を直す過程でアップデートできたところもあり、より一層好きな場所になりました。
撮影の終わり、「ずっとこうやって生きていけたら幸せだなぁ」とつぶやいたかるべさん。あるがままを受け入れ、自然とともに生きる台所は、その願いをかなえる場所なのでしょう。
【かるべ・けいこ】
料理家、栄養士。夫とともに、食の自給自足を目指して1994年に熊本県南阿蘇村に移住。「食のアトリエかるべ」を主宰し、素材を生かした体にやさしいお菓子や鉄火味噌、天然酵母パンなどをていねいにつくっている
<取材・文/長谷川未緒 撮影/野中 元>
【女子SPA!編集部】
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