たい肥
葉野菜の外葉や卵の殻などは、生ごみ処理容器に。米ぬかも入れて、生ごみのぬか漬けのような状態にし、菌糸で真っ白になったら畑に還して堆肥に
「冬は種をまけないため、3月から5月は食材が不足しがちで、保存食に助けられています。保存食をつくっているときは、お金ではないのだけれど、貯金している気分になるんですよ。現金も必要ですが、何より食べるものがあれば大丈夫と安心できます」

◆熊本地震では……

食器棚
縦・横2m超の食器棚。熊本地震では、棚板が崩れ、食器も大破したそう。「もうダメかなと思ったのですが、大工さんに相談し、両端の柱を直してまんなかにも柱を通しました。棚板も増やしたことで以前より収納力がアップし、さらに使いやすくなりました」
 2016年の熊本地震では台所の被害が一番大きく、唯一の趣味で集めている器も半減。それでも「また集める楽しみができた」と朗らかです。台所を直す過程でアップデートできたところもあり、より一層好きな場所になりました。

鍋
鍋やへらなどを下げられるようにと、野中さんがつくった収納。「調理台まわりに棚や引き出しなどがないせいもありますが、よく使う道具は手元に置いています」
 撮影の終わり、「ずっとこうやって生きていけたら幸せだなぁ」とつぶやいたかるべさん。あるがままを受け入れ、自然とともに生きる台所は、その願いをかなえる場所なのでしょう。

別冊天然生活『暮らしを育てる台所2』
別冊天然生活『暮らしを育てる台所2』
【かるべ・けいこ】

料理家、栄養士。夫とともに、食の自給自足を目指して1994年に熊本県南阿蘇村に移住。「食のアトリエかるべ」を主宰し、素材を生かした体にやさしいお菓子や鉄火味噌、天然酵母パンなどをていねいにつくっている

<取材・文/長谷川未緒 撮影/野中 元>

【女子SPA!編集部】

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