SWAT Mobility Japanは、10月28日(月)より、山口県長門市で実施されるオンデマンド交通の実証実験に、AIオンデマンド交通運行アプリ「のろっちゃAI」を提供中だ。

長門市が抱える公共交通に関する課題

長門市内では、2010年から2020年の10年間で人口が15.2%減少、高齢化率は44.1%と高齢化が進み、公共交通の利用者が減少。長門市内を運行する路線バスの輸送人員は、2016年度から2021年の5年間で約52,700人ほど減少したという。

また、長門市内ではデマンド交通を運行しているが、運行便数は限られるとともに、1時間前の予約締切といった利便性の理由から、平均利用者数は1日1~4人程度の利用にとどまっていたそう。公共交通の利用者を促進するため、デマンド交通の利便性向上が急務だった。

AIオンデマンド交通導入に向けた取り組み

SWAT Mobility Japanは、人・モノの移動に関する課題解決のため、オンデマンド交通運行システム、路線バス交通分析ツール、物流配送最適化システムを提供している。

これまで同社は、長門市内を運行する路線バス、ブルーライン市内循環線及びデマンド交通(長門市市街区)の乗降データを元に 、AIオンデマンド交通導入に向けたデータ分析・シミュレーションを実施し、オンデマンド交通導入の支援を行ってきた。

シミュレーションの結果、乗車予約をしてから数分の待ち時間で乗車が可能なことが明らかに。路線バスが廃止された場合においても、路線バスの利用者をオンデマンド交通で取り込み、かつ利便性の高いサービスが提供できることがわかったという。

今回の実証実験では、電話予約によって運行していた既存のデマンド交通に、最先端のAIとルーティング・アルゴリズムを実装したアプリを導入。

また、運行エリア内でドアtoドア送迎を提供するにあたり、ゼンリン社の到着地点情報を実装して、施設の入口前までルーティングを行う新しいシステムを導入している。これにより、病院やモールなど大型施設へ送迎する場合において、ドライバーの運行に係るストレスが軽減されるだろう。

「のろっちゃAI」の実証実験について