今年の7月1日から9月30日までの夏クールに民放テレビ局の公式配信サービス「TVer」で配信された全番組を対象に「番組再生数ランキング」の上位20番組が発表された。

 1位となったのは、フジテレビ系のドラマ『海のはじまり』で7,148万再生。同ドラマはSnow Manの目黒蓮が主演を務め、脚本の生方美久氏ら2022年10月期に放送された『silent』の制作チームが再結集した話題作で、テレビ視聴率も最終回には9.5%(世帯、ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録している。

 物語は、目黒演じる主人公が大学時代の恋人との間に6歳の子どもが生まれていたことを突然知らされ、亡くなった子どもの母親が残した手紙や現在の恋人との関係に葛藤しながら、新たな親子関係を築いていくというもの。内容には賛否両論が寄せられ、SNSなどでは盛んな意見交換が行われた。

 2位にはテレビ東京系の深夜ドラマ『夫の家庭を壊すまで』がランクイン。松本まりか演じる主人公が不倫夫とその不倫相手に復讐を果たす衝撃的な内容で、3,258万再生を記録している。

 この数字は、同4月1日から6月30日までの春クールで1位だったテレビ朝日系ドラマ『Destiny』の2,884万再生を上回り、1月1日から3月31日までに放送された今年の最高記録『不適切にもほどがある!』(TBS系)の3,342万再生に迫る。その『夫の家庭を壊すまで』にダブルスコア以上の差をつけてトップとなった『海のはじまり』の数字が際立つ結果となっている。

 これまでのTVerでの再生数で1位だったのは、23年夏クールに放送された日曜劇場『VIVANT』(TBS系)と、同春クールの『あなたがしてくれなくても』(フジテレビ系)で、ともに5,481万再生。『海のはじまり』はこの数字も大きく上回り、堂々歴代トップに躍り出たことになる。

 この快進撃の裏には、もちろんTVerそのものの利用者の増加も影響しているといえるだろう。昨年8月時点で3,000万とされていた月間ユーザー数(MUB)は、今年8月には4,100万超だといい、わずか1年間で36%も増加しているのだ。