◆話を聞くことができる人は、何歳でも変われる
――50代のノダDさんが、自分に向き合って変わろうとするところがすごいと思いました。
水谷:私が夫を評価しているのは、私の話を聞いてくれるところなんです。
私の漫画は夫婦の問題をテーマにしていたりするので、夫の欠点を描くのですが、読者の方に「どうしてこんな人と結婚しているんですか?」と言われることがよくあります(笑)。あと、「ノダDさんには漫画には描かれていないすごい魅力があるのでは?」という感想をいただくことがあるんですけど、夫は自分の悪いところを指摘されたときに話を聞いて、理解して改善する能力があるところが素晴らしいと思います。
もともと、仕事で出会ったのですが「離婚して辛い」というので、「人生がつらいときは空手するといいよ!」と私が通っていた空手道場の支部に誘いました。当時、私は黒帯で弐段を取っていて、仕事では発注側だった夫が後輩になったんです。私のほうが年下なのですが、夫は指導をすごく素直に聞いてくれていました。中年以上ではじめた男性の中には、プライドがあるのか、人の話を聞けないタイプの人もいるんです。表面上は「はい」と返事をするんですが、全然言われたところを直さない。
そういう人もいるので、自分のできてないところを素直に修正できる夫は「伸び代のあるおじさんだな」と思います(笑)。
――カウンセリングでは自分の悪いところをカウンセラーに説明したり、第三者の意見を受け入れなければならないので、ノダDさんにとってもハードルが高かったのではないでしょうか?
水谷:夫のメンタルが強いのと、「ダメだと分かったんだからやるしかない。そこから逃げたらかっこ悪い」という気持ちがあったようです。