◆手ぶらででも心地いいと思えるようになりたい
――ホテルのスタッフがふかわさんの旅を「糸の切れた凧」と表現されたことも、ひじょうに印象深い言葉でしたね。
ふかわ「あれは脚本家が書いたかのような言葉でしたね。でも、本当にパッと出てきたことに驚いたんです。部屋の外線が繋がらないことで事情を話したら、『それいいですね!』という反応でしたから。自然と出てきたあの言葉と出会えたことだけでも、この旅の実りを感じました。
岐阜の3泊4日で流れた時間は、ひと言でいうととても“美味しい”時間だったと思います。この中に、私たちのこれからの豊かさが潜んでいる気がしました」
――今回の旅を通じてスマホとの向き合い方は変化しましたか?
ふかわ「少しずつ、依存度合いを減らしていきたいと改めて思いました。携帯している必要もないので。ゆくゆくは、手ぶらでいられるのが心地好いと思えるようになりたいです。
今は社会として、なんだかんだスマホを持っている人に向けた構造になっているじゃないですか。スマホを持っていなくても驚かれない世界であってほしいと思います」