福島県と接する茨城県北茨城市。2024年9月、風光明媚な五浦(いづら)地区に【チームラボ 幽谷隠田跡】がオープン。夕暮れと共に、夜の森がチームラボのアート空間へと変わります。同時に宿泊者限定の温泉とグランピング施設も開業。自然とアートが織りなす神秘の世界を体験します。

チームラボが創る夜の森のミュージアム

屋外常設展示となる「チームラボ 幽谷隠田跡(ゆうこくおんでんあと)」。この不思議な名前は、江戸時代、藩からの年貢米の徴収を逃れるため、森の奥の “隠れ谷” に棚田を作ったことに由来すると伝わります。夜の森に繰り広げられるデジタルテクノロジーを使ったアートを満喫できます。

▲森に入って初めの作品チームラボ《具象と抽象》

屋外の自然を利用したミュージアムは、暗くなるとオープンします。森に入ると最初の作品が《具象と抽象》です。樹々の間に無数の線が発生していて、人の動きに合わせて光が動くため、森そのものが動いているように見える作品です。

▲チームラボ《連続する軌跡》

空間に光の書を書く「空書」は、チームラボの設立以来続けている作品です。樹々の間を光の毛筆が現れてはフワフワとなびき、かすれ、また現れる。夜の森にしたためる光の筆跡です。

▲チームラボ《タブノキに宿る呼応する宇宙》

この森を象徴する木に光る球体を吊るした神秘的な空間です。人が近づくと明るく輝き、周辺の球体も次々に呼応する不思議な現象。人と樹木が交感する作品です。

▲チームラボ《幽谷の呼応する森》

森の中盤あたりから現れる作品《幽谷の呼応する森》は、人や動物などが近くを通ると、木々が次々に発光し音色を響かせます。

▲チームラボ《幽谷の竹林》

神秘的な竹林の中を進むと、歩く速度やペースで音楽が変わります。

▲チームラボ《棚田跡》

やがて森が開けると、そこは古い棚田の跡。長い歳月を経て湿地となっていましたが、チームラボによって円筒形のヴェネチアングラスが置かれ、アート作品として復活。人が近づくと光り方が変化する、新たな棚田としてよみがえりました。職人が手作りした発光体は、ひとつひとつ輝き方が異なるのも見どころです。