◆子どもが両親の板挟みになる可能性
――そうなったら、より深刻なDV被害者が多く出てしまうかもしれません。
ねこ★はち「ここで立ち止まって、本当に子どもの利益になるための法案かを考えてほしいです。
子どものための法案のはずなのに、子どもが両親の板挟みになる可能性もありますよね。『パパにこのサインもらってよ』と母親に頼まれたり、子どもが使い走りにされたり利用されたりすることも考えられます。DVや虐待などから逃げたくて別れた夫婦なのに、また夫婦の嫌な部分を子どもに見せてしまうことになります。子どもも両親の顔色を伺うようになりかねません。
共同親権が施行されることで精神的に追い詰められる配偶者、子、がいることを配慮してほしいと思います」
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改正法は2026年5月23日までには施行されることになっています。DV被害を受けた配偶者や、虐待を受けた子どもはどこまで守ってもらえるのか? 施行まであと2年。今後の動向を注視しなくてはいけません。
<取材・文/瀧戸詠未 漫画/ねこ★はち>
【瀧戸詠未】
大手教育系会社、出版社勤務を経てフリーライターに。教育系・エンタメ系の記事を中心に取材記事を執筆。Twitter:@YlujuzJvzsLUwkB