◆人の弱い部分や気持ちが理解できる人間であり、俳優でありたい
映画の中で、林さん演じる笹はスクープを狙うあまり、大切な存在へと変化していた良子（上野樹里）のことをも、ほかの惑星から来た“惑星難民X”だと疑い、傷つけ、自分自身も苦しんでいく。
「ある時から“人の弱い部分や気持ちが理解できる人間であり、俳優でありたい。そういった作品や役に関わっていきたいな”という気持ちが、この仕事をするうえで自分の中で大きな軸となっているんです」と林さん。
そして「自分自身が、ここ数年は特にですけど、生きることの大変さだったり、世の中の怖さだったりを、より強く感じるようになってきているんです」と明かす。
ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』のような、作品にスパイスを与える役も軽妙に演じてみせるが、『初恋の悪魔』の主人公（仲野太賀さんとのW主演）や、つい先ごろまで公演されていた、北野武さんを演じた音楽劇『浅草キッド』をはじめ、生きづらさを感じている人々の“痛み”にリアリティを与え得るのは、まさに林さん自身が痛みを感じ、理解できる人間であり続けているからに他ならないだろう。
