◆実在の偉人を演じることに最初はひるんだ

――本作で、小泉さんは軸となる庄屋の長男・増永五左衛門さんを演じました。名家のサラブレッドということもあり、小泉さんしかいないとのオファーだったと聞きました。

小泉孝太郎さん(以下、小泉)「率直に言うと、ひるみました。自分でいいのだろうかと」

――そうなんですか!?

小泉「だって僕は、福井県に縁もゆかりもないんです。神奈川県民ですから。そんな僕が、こんな偉大な方を演じるなんて。脚本を読んですぐに分かりました。大変な偉人ですよ。

だから、これは僕には無理だと。福井出身の役者さんに演じていただいたほうが福井県のみなさんも納得するんじゃないかとマネージャーに確認しました。“本当に僕に来たの?”って。そしたら“孝太郎さんに来たんです”と言われて。

今回は、福井県のたくさんの方々に協力していただいたんですが、撮影初日に皆さんがウェルカム状態で受け入れてくださって。そこで自分自身、一気に変わりました。“よし、これは全身全霊を込めてやらねば”と、みなさんにスイッチを入れてもらった感じでした」