楼門や舞殿などの建築物を見学しよう
楼門
参道に戻り、しばらく歩くと二の鳥居が見えてきます。この鳥居をくぐると、立派な楼門が建っています。高さは約13メートルあり、東西には回廊もつながっています。
21年ごとの式年遷宮のたびに造り替えられてきましたが、寛永5年度(1628年)の式年遷宮以降は、解体修理により保存しています。重要文化財にも指定されている朱色の門は、下鴨神社の代表的景観と言えるでしょう。
舞殿
楼門をくぐると、舞殿(まいどの)が見えます。こちらでは、京都三大祭の一つとされる例祭「葵祭(あおいまつり)」のときに、勅使が御祭文を奏上し、東游(あずまあそび)という雅楽が奉納されます。建物は、入母屋造りの檜皮葺となっており、重要文化財に指定されています。
本殿
中門の奥には、本殿が東西に二棟並んでいます。東殿には、玉依媛命がお祀りされています。縁結びや子育ての神様として信仰されています。そして西殿には、賀茂建角身命(かもたけつぬみのみこと)がお祀りされています。神武天皇をお助けした神様とされており、厄除け、開運の神様として信仰されています。
冷たい湧き水が湧くスポットで涼しさを感じよう
河川に挟まれた下鴨神社は、豊かな伏流水に恵まれており、境内にいくつもの湧き水が湧いています。手水舎や重要な行事に使われるものもあり、目で見たり手に触れたりして、涼しさや冷たさを感じることができます。以下には代表的な湧き水を紹介しています。
井上社(御手洗社)
本殿の東にある井上社(御手洗社)は、下鴨神社の末社です。こちらには井戸があり、澄んだ湧き水が湧き出ています。筆者が訪ねた際には、こんこんと湧いていましたが、水量が少ないときもあるようです。水は夏でも冷たく、暑い日に手をつけると気持ちが良いです。
社の西側には、この湧き水が流れて川のようになっている場所があります。これは、御手洗池(みたらしいけ)と呼ばれており、葵祭(あおいまつり)の前儀である斎王代による「禊の儀」、七月下旬の土用の丑の日前後に、水に足をつけて無病息災を祈願する「足つけ神事」などが行われる場となっています。足つけ神事は、一般には「みたらし祭り」と呼ばれて親しまれており、期間中は多くの人が訪れます。
水みくじ
こちらでは、「水みくじ」と呼ばれるおみくじを引くことができます。御手洗池のそばにある授与所で、水みくじを買い求めてください。初穂料は300円です。
この時点では、おみくじの紙には文字が書かれていません。これを、御手洗池の水にゆっくりと漬けて、しばらく待っていると、文字がだんだんと浮かび上がってきますよ。
願い事や金運、恋愛といった項目があり、結果は簡単な言葉で書かれているので分かりやすいです。文字が浮かび上がってくるのを待つのは面白いので、ぜひ試してみてくださいね。
御手洗・直澄(ただす)
楼門の南の二の鳥居付近にある湧き水です。糺の森の地中から湧き出ている御神水が、樹齢600年ともいわれるケヤキの樋から注がれています。手水舎となっているので、こちらで身を清めて、その冷たさを感じてみてください。
御手洗・三本杉
本殿西側の西参道にある湧き水です。古来より、糺の森の三本杉から湧き出て、人々や田畑を潤してきたと伝わる名水です。ご神水を注ぐ樋には、糺の森の杉の古木を用い、三本杉を復元しています。御手洗・直澄よりも小さめの手水舎が設けられています。