◆母猫に縄張りを追い出された姿が痛々しくて保護を決意

 そうした見守り方をして、3年が経った頃。ちびちゃんは突然、母猫に縄張りを追い出され、行方不明に。

縄張りを追い出されてしまった
 発見できたのは、数日後。会社の隣家の壁の隙間に隠れていたちびちゃんは、とても寂しそうに見えました。

「後ろ足には噛まれた跡があり痛々しかったです。目は結膜炎になっていました」

 見かねた飼い主さんは、ちびちゃんを保護。うちの子にしようと決意し、家族に相談するも、やはり両親は大反対。父親には「家がボロボロになる。猫は昔から嫌いだから無理」と言われ、母親からも「生き物が大嫌いだから、連れてくるな」と言われてしまいました。

 しかし、小さな命を見捨てられなかった飼い主さんは、ちびちゃんが病気であることを話し、「猫を飼うのは最初で最後にするので、了解してほしい」と説得。何かあっても自分で対処することを条件に、承諾を得ました。

保護された頃のちびちゃん
 保護後は動物病院へ連れていき、目の治療を開始。

「目薬と抗生剤が処方されました。抗生剤は、ドライフードにかけてあげていました。3週間で完治しましたが、後に先生から、実は結膜炎の状態が悪く、目はどうなるか分からなかったと聞かされました」

 ちなみに、母猫はその後も会社の敷地内で見守られながら暮らしていましたが、近所の人に保護され、外猫生活を終えました。