◆翌朝K子さんの姿が消えていた
後片付けが終わり再び火を囲んだ面々でしたが、先ほどとは一転してK子さんが一人浮いた状態になっていたそうです。片付け前までのノリは男性陣にはすでになく、むしろ佐智子さんとの会話がはずんでいました。するとさすがに場の雰囲気を察したのか、K子さんにはさきほどまでの元気さはなかったといいます。
その後テントで一泊し翌朝気がつくとK子さんの姿はなかったそうです。そして代わりに「用事を思い出したので先に帰ります」と置き手紙があったそうです。
「さすがに心配になったので電話してLINEも送ってみたんですが、向こうからの反応は一切ありませんでした。翌週出社しても、そこにK子さんの姿はありませんでした」
その数日後、佐智子さんはK子さんの行方を上司に確認したそうです。すると、K子さんの代理人から退職届が出されていたことがわかったそうです。
―シリーズ「レジャー・アウトドアでゲンナリした話」―
<文/大杉沙樹 イラスト/zzz(ズズズ)@zzz_illust>
【大杉沙樹】
わんぱく2児の母親というお仕事と、ライターを掛け持ちするアラフォー女子。昨今の情勢でアジアに単身赴任中の夫は帰国できず。家族団欒夢見てがんばってます。