――たしかに、メイン以外も手を抜いていないお店は、いいお店な気がします。

大平「メインだとチキンカツやアジフライといったフライ系が多かったりしますが、古い油で揚げていないかは気にしてますね。私の持論ですけど、『サクッとしている』と評判のお店は、いい油を使っていることが多いです。逆に、『重い』『しっとり』『かたい』と言われるのは、古い油を使っているケースがほとんどだと思います」

◆おじさんの多い店は信用できる

定食屋の料理
キッチンABC(池袋)
――実際に料理を目にする前に、いい定食屋さんかどうかチェックする方法はあったりしますか?

大平「おじさんやおじいさんが多いお店は信用できると思っていて。おじさんってお小遣いが決まっていて、安くておいしいところをよく知っていると思うので、おじさんたちが吸い込まれていくお店は当たりが多いですね。それから、定食屋デビューをする方には、ある程度歴史のあるお店がおすすめです。長く続いているということは、それだけで地域に認められていて、理念もしっかりしているということですから」

――とはいえ、知らない定食屋にひとりで飛び込むのって勇気がいりますよね。「独自のシステムがあったらどうしよう……」といった不安もありますし。

大平「やっぱり女性ひとりだとジロジロ見られることもありますし、初めてのお店は入りにくいものですよね。そんなときは、とにかく知ったかぶりをしないようにしています。最初に『初めてなんですけど、どう頼めばいいか教えてください』って素直に聞くのが一番。私も初めてのお店では注文の仕方やおすすめメニューなどを聞いていますが、店員さんが親切に教えてくれますし、お会計までずっと気にかけてくれたりもしますよ」

――たしかに、ヘンに慣れているフリはしないほうが良さそうですね。

大平「そうすれば、店員さんが味方になってくれますから。常連さんだって、一見さんが困っていたら助けてくれることのほうが多いです。物珍しそうに見られても、イヤな顔をされたことはないので、『女なんか来るなよ』とは誰も思っていないはず」